
脳腫瘍は良性・悪性、好発部位について問われることが多く、今後は成人と小児で起こる頻度について問われることが予測されます。
そこでこの記事では成人と小児における脳腫瘍の好発部位に限らず、良性腫瘍と悪性腫瘍の見分け方を簡単に紹介します。

成人の脳腫瘍好発部位のゴロ合わせ

- 髄膜 髄膜腫
- 光 神経膠種(グリオーマ)
- 線 下垂体腺腫
- シュワッチ 神経鞘腫(Schwann細胞由来)
成人では多い順に髄膜種(28%)、神経膠腫(24%)、下垂体腺腫(15%)、神経鞘腫(11%)となっています
髄膜腫
髄膜腫は中年女性に多く、全脳腫瘍で最多の良性腫瘍です
発生部位はテント上に多いとされています
症状ではてんかん発作や頭痛がみられます
また、髄膜腫は硬膜に付着しているため、sunburst appearanceが外頚動脈撮影で見ることができます
神経膠腫(グリオーマ)
神経膠腫はグリア細胞(神経膠細胞)由来の腫瘍で、
星状膠細胞由来にはびまん性星細胞腫、退形成性星細胞腫、膠芽種(グリオブラストーマ)など
乏突起膠細胞由来には乏突起膠種、上衣細胞由来には上衣腫が存在します
膠芽腫は脳腫瘍で最も悪性と言われています

え、え、え、ちょっと待って。無理。無理。
も、もうついていけない。。。

大丈夫。
こっから覚えるべきポイントをまとめるから、それを覚えれば大丈夫だよ。
神経膠腫は成人では2番目に、小児では1番多い
神経膠腫内の膠芽腫は最も悪性の脳腫瘍
下垂体腺腫
下垂体前葉から発生する良性腫瘍です
下垂体腺腫ではホルモンを過剰に分泌される場合とホルモンが分泌されない場合の両方が存在し、出現する症状が異なります
神経鞘腫(聴神経鞘腫)
神経鞘腫は聴神経鞘腫とも呼ばれる様に、内耳神経に好発します
末梢神経のSchwann細胞由来で良性腫瘍です
CTで小脳橋角部に低吸収〜等吸収域を示します
小児の脳腫瘍好発部位のゴロ合わせ

- 後 神経膠腫
- 輩 胚細胞腫
- が 髄芽腫
- 登板 頭蓋咽頭腫
小児では多い順に神経膠腫(45%)、胚細胞腫(15%)、髄芽腫(12%)、頭蓋咽頭腫(9%)となっています
神経膠腫
成人の神経膠腫欄をご覧下さい
胚細胞腫
胚細胞腫は鞍上部と松果体部に好発し、鞍上部の胚細胞腫は性差がありませんが、松果体部の胚細胞腫は10代男児に好発します
つまり、鞍上部と松果体部によって現れる症状が違います
鞍上部では下垂体前葉機能の低下、視神経・視交叉圧迫による症状、視床下部の障害が出現します
松果体部では中脳水道圧迫による髄液灌流障害(頭蓋内圧亢進)、中脳上丘の障害(Parinaud症候群、Argyll Robertson瞳孔)、中脳下丘障害による難聴が出現します
髄芽腫
中学生以下(14才以下)の男児に好発する悪性の腫瘍です
小脳虫部に発生するに従い、小脳症状と頭蓋内圧亢進症状がみられます
頭蓋咽頭腫
胎生遺残物由来の良性腫瘍で鞍上部に好発します
悪性腫瘍と良性腫瘍の見分け方
※これはあくまで筆者の個人的な考えです

脳腫瘍の良性腫瘍は大体、肉眼的解剖学だなーと発見しました
ですので、髄膜腫や下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫、聴神経鞘腫は良性腫瘍ということがパッとわかります
まとめ
成人の脳腫瘍(好発部位)

- 髄膜 髄膜腫
- 光 神経膠種(グリオーマ)
- 線 下垂体腺腫
- シュワッチ 神経鞘腫(Schwann細胞由来)
小児の脳腫瘍(好発部位)

- 後 神経膠腫
- 輩 胚細胞腫
- が 髄芽腫
- 登板 頭蓋咽頭腫
どうでしたか?
国家試験などの過去問を解いて出てきたところを参考にしていただけると幸いです
腫瘍の症状等も全て覚える必要はないので、効率よく勉強してください
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