
飛沫感染に続いて空気感染です。
似ている様で別物の感染様式についてしっかり勉強していきましょう


空気感染とは〜感染様式をおさらいしよう〜
空気感染は水平感染に含まれます
水平感染には、接触・飛沫・空気・媒介物感染といった感染様式があります
空気感染とは飛沫核と呼ばれる5μm以下の微細な粒子が空気中を漂い、それを吸引することで感染します
また、飛沫感染は1m以内で感染するのに対し、空気感染では数十mでも感染すると言われています
飛沫感染は5μm以上の飛沫を吸引することで感染

空気感染する感染症の語呂合わせ

- ケツに 結核
- 麻 麻疹
- 酔 水痘
イメージはケツ(お尻)に麻酔をします。痛そうですね〜。笑
結核
結核菌の空気感染によって発症します
症状としては2週間以上咳が持続します
病理組織所見として、細菌感染では通常融解壊死のところ、結核では乾酪壊死(凝固壊死)となります
結核菌は抗酸菌であり、Ziehl-Neelsen染色(抗酸菌染色)にて赤色桿菌を認めます
麻疹
麻疹ウイルスによって感染する、通称「はしか」と呼ばれる感染症です
特徴的な症状としてKoplik斑(両側頬粘膜に米粒程度の大きさの白斑)、色素沈着を残す融合性の発疹が見られます
第2種学校感染症に指定されているため、解熱後3日間登校できません
風疹との比較問題が多いのでしっかりとその違いを覚えましょう

水痘
水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV:varicella-zostor virus)による小児に多い感染症ですが成人の罹患は重症下しやすいため注意をしなければなりません
いわゆる水疱瘡(みずぼうそう)です
2週間程度の潜伏期間を経て症状が出現します
症状として体幹を中心に発疹が出現し、四肢に広がっていきます
また、発疹は紅斑→水疱→膿疱→痂皮という段階を追いますが、この様々な発疹が混在して見ることができます
水痘・帯状疱疹ウイルスの初感染は水痘ですが、体内にすでに存在しているウイルスの活性化による感染を回帰感染といい、その場合は帯状疱疹と言います
VZVは肋間神経や顔面神経、三叉神経の神経節に潜伏感染していることが多く、それぞれの神経支配に沿った疼痛と水疱が見られます
ちなみにVZVの活性化による顔面神経麻痺をRamsay hunt症候群といい、同じ顔面神経麻痺であるBell麻痺と比較し、予後不良であり、耳介や外耳道の疱疹が特徴です
練習問題
Q1.次のうち空気感染にて感染するものはどれか
- 風疹
- 百日咳
- 流行性耳下腺炎
- 麻疹
- インフルエンザ
正解は4
Q2.次のうち飛沫感染にて感染するものはどれか。2つ選べ。
- マイコプラズマ肺炎
- 結核性肺炎
- インフルエンザ
- クラミジア肺炎
- マラリア
正解は1,3
まとめ

- ケツに 結核
- 麻 麻疹
- 酔 水痘
どうでしたか?
まずは、飛沫感染と空気感染の感染様式についてしっかりと違いを認識し
そこから各感染症について勉強することで頭の中が整理されていくと思います
なかなか覚えることの多い範囲ですが根気よく地道に覚えることを覚えていきましょう
関連記事

